Webマーケティングの基本 テクニックを覚える前に理解しておきたいこと
- 公開日:2018/03/3
- 最終更新日:2019/01/28
- category:なぜビズ
- keyword:Webマーケティング
Webマーケティングの基本的な考え方。これ、意外と見つからない情報ではないでしょうか?ノウハウはあふれています。新しいテクノロジー、活用成功事例など。ですが、新しいテクノロジーは実はまだサービス側に成功事例がなかったり、逆に他社の事例については自社とリソースも顧客も担当者のタイプも自社や自分とは全然違ったりします。はじめて担当する時に基本を知る機会がなかなかありません。
WebマーケティングはPDCAサイクルの勝負
SEOも広告もSNSもコンテンツもメールも全て。これが本質です。ご自身の目で色々なWebマーケッターを調べてみてください。地道な努力を丁寧に愚直に最大限頑張った人が報われます。(どの職種も同じかも知れませんが、ミーハー心をくすぐる職種ほど忘れがちになります。)
PDCAサイクルについては以下もご参照ください。
Webマーケティングにおいて、PDCAサイクルを回す中で意識するのは2点、的確さと素早さです。
的確なPDCAサイクル
Webマーケティングの特徴は、アクセスのログ(記録)が確認しやすいことです。GoogleAnalyticsをはじめ、各ページのHTMLにタグ(プログラムの一部)を追記しておけば、無料でアクセス解析できます。広告・SNSだと、それとは別に管理できるサイトも存在します。
データがどんどん溜まるのはいいのですが、初心者が悩むのは「どの情報をどう使うのか?」です。PV(ページビュー)?セッション?滞在時間?セッションあたりのページ数?なんとなく眺めているだけだと、なんとなく自分のサイトが良くなっていくけど…、仕事として出したい成果には届かないでしょう。
コンバージョンとKPI
そこで登場するのが、「コンバージョン」と「KPI」です。
コンバージョン Conversion「CV」
直訳すると「転換」。何が「転換」かというと、見込み客から本当のお客様に変わること。サイトの目的によってその定義は違いますが、ECサイトなら購入、求人サイトなら応募完了、営業用のサイトなら問合せや申込完了など。つまり、目的達成です。何をもって目的達成とするか?既存のサイトを引き継いだ人はすでに決まっているはずですが、新規で立ち上げる方はここから考える必要があります。
KPI Key Performance Indicator
重要な指標のことです。(そのまんまですね)ざっくり言うと、2つの使い方があります。
- コンバージョンするユーザーやセッションに多く見られる重要な行動を増やす
- 定点観測することで早期に異常を発見する(良い兆候も悪い兆候も)
普段目標を追いかける時に使うのは1.です。2.は日時・週次・月次など定期的に追いかけましょう。
的確にPDCAサイクルを回すためのコツ
1.過去と比較する
その日、その週、その月の数字だけを眺めていても、良いか悪いか判断できません。かならずそのサイトの過去と比較しましょう。比較する期間はサイトの特性によります。季節変動のあるサイトなら前年同時期、曜日による変動があるなら前週、そういった傾向が無いなら前日との比較も有効です。
季節や曜日に変動があるサイトで、毎日のPDCA速度を上げるコツがあります。それは、前期比の%(パーセンテージ)を前日や前週と比べるのです。
2.KPIそのものをPDCAする
実は使っているKPIがコンバージョンに結びついていませんでした!というケースは散見されます。だから、「このKPIを追いかけ続けていいのか?」という意識は継続して持ち続け、他に良いKPIが設定できないか常に追求し続けましょう。
高速なPDCAサイクル
Webの良いところは、すぐに修正できるところです。ソースコードが書ける人ならサイト全体を細かく調整できるでしょうし、ほとんどのサイトは管理者むけの編集機能をつけているのではないでしょうか?文言の追加・削除・修正、画像や写真の挿入・差し替え程度であれば一瞬で切り替わります。そうするとWebは、PDCAサイクルを速攻で何度も回せることが特徴になります。そして、Webマーケティングで成果を挙げている企業やサイトは、軒並みこのスピードが速いのです。
じゃあどれくらいの速度でPDCAサイクルを回せばいいのか?それは施策によって違いますが、シンプルに言ってしまうと、効果が検証可能になり次第すぐC:チェック→A:アクションすべきです。
社内体制で足を引っ張らない
「上司のチェックを仰がないと更新できない」。企業によってはあるんじゃないかとおもいます。これが原因でPDCAサイクルの速度が大幅に低下します。随時担当者レベルで更新できるようにすべきです。体制やチェックフローがスピードを落とすのならば、すみやかにそれを変えましょう。確かに、お客様にお見せする文書はきちんとしなければいけない。でも、そんなこと、誰だって分かってて自分なりに一生懸命頑張って作っていますよね。(そうでないなら、Webマーケティング以前の問題です。)ですが、Webの特徴を思い出して下さい。良くないものはすぐに変えられるのです。
Webマーケティング施策ごとのポイント
SEOは小手先に走らない
日本でSEOをする限りは、検索エンジンはGoogleだという前提に立ちます。Googleの検索順位を決めるアルゴリズムは常に変わります。もはや人の手ではなく、機械が自動的に、常にアルゴリズムを修正し続けているのです。小手先のテクニックで今日効いたものも、明日には意味が無くなる世界なのです。
そうすると、原理原則に立ち返るのが一番です。Googleがやりたいことは、「ユーザーが検索した目的にマッチする結果をかえすこと」。そうするとWebサイトを作る側がやることは、ヒットして欲しいキーワードを明確にし、そのキーワードを検索する人の気持や考えを推察し、それに寄り添ったコンテンツを充実させること。
シンプルに言うと、「余計なことは考えずにひたすら良いサイトを創りましょう」ということです。
Web広告は細かいチューニングを高速で
テキスト広告は「てにをは」を変えるだけでもクリック率・コンバージョン率が変わってきます。しかも、広告側の管理画面からちょっと登録内容を変えるだけ。Webマーケティングの中でもとくに高速なPDCAが回しやすい領域です。表示される数(インプレッション数)が多ければ多いほど、分析に必要なデータ量がすぐ溜まります。
バナー広告・ディスプレイ広告は、データ量の溜まり方はテキスト広告に近いものもあります。一方で、バナーを日に何度も作り替えることが出来る人は少ないのではないでしょうか?例えば写真素材を使ったバナーだと、朝昼晩いつでも撮影が必要になります。イラストだったとしても同様に高難度です。そのため、逆に言うと、いかに簡単にバナーなどの画像素材を差し替えられるかが肝になってきます。
それ以外の広告についても基本は変わりません。十分なデータが蓄積され次第検証し、早急にチューニングしていきましょう。
Twitter/Instagram/FacebookなどのSNSは1時間勝負
SNSでは投稿や広告がタイムラインに表示され、それが流れていくものが主流です。そうすると、投稿直後が最も表示されることが多く、徐々にそれが下がっていきます。そのため、(時間や曜日により多少変動しますが)1時間あれば大勢が見えることが特徴です。1時間を過ぎたあとも表示は継続されるので、「もうちょっと時間をおいて、表示数が増えてから検証しようという心理がはたらきがちです。でも、それはタイムロスです。大勢が後から変わるケースは少ないと思って差し支えありません。
ただし投稿については注意が必要で、日に何件も投稿しているとフォロワー・いいね!の人からノイズに見えてしまいます。広告は止めて次のものを出稿すれば良いのですが、通常の投稿については検証こそ1時間で出来るものの、次の改善投稿についてはタイミングに節度を持ちましょう。
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